頭の良い人間は考えて冷くやる、僕のような男は気力でやろうと。

思いついたら結果なんか考えるいとまも持たせず実行して、しゃにむに今までくっついてた僕のためらいを一まとめにまるめておっぽり出したら良い気持ちだろう。

絵を描くのに戦場をかけずりまわって体力を使い果たしてぶっ倒れる様にやりたいと。

出来上がったものは人に喰らわすのであって味わわせるせる様なものでは駄目だと。

電気あんま器を持ったとたんに其れで描きたくなるし、ゴムまりを投げつけて描きたくなる。

人間の肉体的行動の最も現やすい手で引っ掻いたり叩いたりして描く。絵具の泥の上を滑り廻っただけで其の気持ちは良く出ると。

本当のところ、おていさいぶった、便利だが弱いイーゼルなんかほうり出して、画面を壁に釘づけして斧でめった切りにして汗びっしょりのフラフラで心臓破裂の一歩手前ぐらいになるまでやって安楽椅子に倒れ込んだ時の気持ち良さを知りたい為に描いているみたいになっても良いと。

だいたいが画家と云う職業なんかなぜあるんだろう。

絵を描かなければ承知できないだけで、飯は他の事をして喰った方が良くないかと。

画廊は絵を見せるところで売るところではないのにと。

非知識的な持節でいつも思っている。