池田 龍雄:
Brahman
展覧会について
ファーガス・マカフリー東京は 2022 年 4 ⽉ 2 ⽇より「池⽥⿓雄: BRAHMAN」展を開催します。
池⽥⿓雄が参加する、2022 ヴェネツィア・ビエンナーレ、およびメトロポリタン美術館(ニューヨーク、2021 年 10 ⽉ 11 ⽇〜2022 年 1 ⽉ 30 ⽇)とテイト・モダン(ロンドン、2022 年 2 ⽉ 24 ⽇〜8 ⽉ 29 ⽇)での「Surrealism Beyond Borders」展と同時期に開催となる本展では、「BRAHMAN」シリーズより 1975 年から 80 年の期間に制作された 20 点を展⽰します。
池⽥⿓雄 (1928‒2020) は 1928 年佐賀県に⽣まれ、15 歳で⽇本海軍航空隊に⼊隊。神⾵特攻隊員として訓練中に第⼆次世界⼤戦終戦を迎えた後、東京へ移住。多摩美術⼤学で岡本太郎、花⽥清輝らによる「アヴァンギャルド芸術研究会」に参加します。1950 年代の作品がルポタージュや⾵刺など政治的要素を含んでいたのに対し、次の約10年間は社会的な関⼼から離れ、「楕円空間」(1963‒64)や「玩具世界」(1966‒70)シリーズで、新たなモチーフを通して⼈間の意識と⾝体の関係性を探求し始めます。
1973 年になると池⽥は瞑想的で哲学的なアプローチを通し、宇宙の原初に関する視覚的神話を中⼼とする著名な「BRAHMAN」シリーズに着⼿します。本シリーズで池⽥は、それまでの作品に通底していた社会的要因から完全に離れ、永遠の真理、無限の空間を性別のない胎児が満たす⾄福の状態を描き出しています。

この頃からエアブラシを制作に取り⼊れ、ヒンズー教の哲学、⽣物の形態、セクシュアリティに⾔及する幻想的な絵画を制作しました。作家は⾃らの創世記を語り、内に⽬を向け、宇宙の根底にある形⽽上学的な結合を探求し、これらの海外を「“内側と外側とがひとつながりになっている宇宙”に開ける“⾍⾷い⽳(ワーム・ホール)”」と定義しています。
1988 年に完結した「BRAHMAN」シリーズは 15 年の歳⽉をかけて制作された 10 章からなるシリーズです。作家の視覚的、哲学的な改⾰において重要な連作であり、展開する宇宙の事象と、絶えず変化する⽣の経験を理解するた
めの旅でありました。
作家による著書
新しい世界の「物体」にぶつかる
Clashing into “Things” of a New World
by Tatsuo Ikeda (1956)
ギャラリー
アーティストを偲んで
TATSUO IKEDA (1928–2020)
展覧会風景
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